1月8日(火)始業式が行われ、新しい学期がスタートしました。【3学期始業式校長訓話】「2019年 亥年はどんな年?」
新年あけましておめでとうございます。
2019年は亥年。イノシシといえば皆さんはどのようなイメージを持っているでしょうか。
「猪突猛進、向こう見ずに猛然と突き進む」というようなイメージでしょうか。しかし、イノシシの実態はかなり違うようです。
ある研究によりますと、直線のコースの途中に障害物として木の枝をたくさん置いて、人が後ろから追い立てたところ、イノシシは何の躊躇もなく突っ切るが、向かってくるイノシシに目の前でワンタッチ傘を開いてみると傘が開いた瞬間、急ブレーキをかけUターンしたそうです。
また、ある別の実験を行った6ヶ月後に同じ実験をするとその手法をすべて覚えていたとか、実験のご褒美として与えたえさの数を覚えていて数が1粒少ないと探し回るというような状況も観察されているということです。
その研究者によると、こうした実験を通して、イノシシは状況を観察し考えて行動する能力や優れた記憶力、模倣学習能力があるということです。かなりイメージと違いますよね。私たちの日常生活には、じっくり考えて慎重に行動しなければならない場面もあれば、こうと決めたらまっしぐらに突き進まなければならない場面もあるように思います。昨年の11月に「はやぶさプロジェクト」のチーフディレクターを勤めていらっしゃったJAXAの川口淳一郎氏をお招きし、本校の1年生を中心にご講演いただきました。
多くの金言をいただきましたが、私が最も感銘を受けた言葉の一つが「思い切って次のページをめくる勇気を持とう」という言葉でした。
宇宙のことはもちろん、この地球の奥底のことさえ人類はほとんど分かっていません。
分からないからと言ってその場に立ちすくんでいては、いつまでたっても次に進めない。
時には分からないことがあっても思い切って次のページをめくってみる。
もしかしたらそこに答えがあるかもしれない。
川口さんにはそう教えていただいたように感じています。2019年、平成から新たな年号へと変わる節目の年に当たり、慎重に行動し、力を蓄えるとともに、思い切って踏み出す勇気も時には持つ、そんな年にしたいものです。本年がみなさんにとって、また三高にとって素晴らしい年になることを祈って始業式の訓話とします。